一二章 朱雀院編小一条院、入道太政大臣の桂なる所にて歌よませたまひけるに、紅葉をよみ侍ける
もみぢ葉は 錦に(と)見ゆと ききしかど
目もあやにこそ 今日はなりぬれ
紅葉は錦と見まごうと聞いたけれども、錦ではなくて綾ではないか、御子のおいでになられた今日は紅葉が目もあやに散ったよ。
藤原頼宗 後拾遺和歌集 巻二十 雑六 歌番号 1206
目もあやに>まばゆいほどに
from 『後拾遺和歌集』 久保田 淳 (著), 平田 喜信 (校注)、岩波文庫〈黄 29-1〉、2019年。ISBN 9784003002995