終章
内侍のかみの、右大将藤原の朝臣の四十の賀しける時に、四季のゑかけ
るうしろの屏風にかきたりけるうた
山たかみ くもゐに見ゆる さくら花
心の行きて をらぬ日ぞなき
山が高いので、雲のある場所に見える桜花、とうてい辿り着つけないけれど、心がそこに向かって折ってこようとしない日はない。
凡河内躬恒 古今和歌集 巻七 賀歌 歌番号 358
山高み>山が高いので
雲ゐ>雲、あるいは雲のある場所
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お部屋"山高み":「山+高+み」で「高」は形容詞「高し」の語幹、「み」は理由を表す接尾語である。