なぜ今作のタイトルが「唐傘」なのかずっと謎でしたが、
映像を見ていて一つ思いあたる都々逸(江戸時代に登場した定型詩)を思い出しました。
「唐傘の 骨の数ほど 男はあれど 広げてさすのは 主ひとり」(作者不詳)
一見すると雨にぬれないよう旦那さんに傘をさす女性の歌に思えますが、
「私が身体を重ねるのは貴方だけ」という男女間の情欲を暗喩しています。
(直球で言うと「私に挿れていいのは貴方だけ」と匂わせてる)
唐傘が男女間の情欲に起因する怪異であれば、その舞台が大奥ともなれば大波乱は必至なはず...
過去作のモノノ怪と同じく、一筋縄ではいかない人間の情念を多分にはらんでいそうな今作。