masaka says
猪熊弦一郎「マチスのみかた」を読んだ。著者がマチスを訪問したときの回想を中心とするいくつかの散文(1949~54年、例外は93年のマチス追悼)とマチス作品の図版多数。何度もデッサンを繰り返して対象を見なくても描けるまでに自分のものなってはじめて油にかかるのだという。客観的な批評ではなく良くも悪くも尊敬する画家を内側から画家の目で見た賛文。「セザンヌのように…解りにくいが、だんだんほのぼのと親しみを持ってくるのとちがい…いきなり向こうから飛びつこうとする意志が見える画」という具合だが、それはそれで興味深い