masaka says
宮間純一「国葬の成立」を読んだ。功臣に対して天皇が特旨を賜下するという形の儀式の成立を大久保利通、岩倉具視、三条実美らの例を分析しながら段階的に追っていく。「政府による死の差別化」「反対勢力の否定」「『国民』としての一過性の一体感を生む」といった政府側の意図を浮き彫りにしつつ、国民側も葬列を見物する一方で歌舞音曲が数日禁じられるといった影響を受けるが、実際の受容については筆者も言う通り今後の検討課題だろう。元首相の国葬儀について賛否両論ある中でどんなものかと読んでみた。ここに描かれているような儀式だとすると遠慮したいが、あくまで「儀」であって「国民に政治的評価や喪に服することを求めるものではない」という。さてどんなものか