【歪なモノ-キミの手に真紅の薔薇を-狂い月】

其れを握りしめた瞬間から

月が見た
美しくて儚くて、すべてを照らす月

自分の身は自分のものじゃない様に
視界も他人の視線に見ているような
凄く、恐ろしい

湧き上がって来る恐怖感が
目の前にいる敵の存在感より強烈で
全身の細胞が「嫌だ」って叫んでいた

切り味は確実なのに、手の応えもいつもと同じ けど、ここにいるのは 俺なのが? 疑問と同時にはっと我を返し、直ぐに手放した 吐き出そうな口に抑え、其れを戻すの姿を目を逸らした 呑み込まれる感じはまだ身に残るだから 「もう二度とこの刀を握ることはしない」っと 誓った、心底から