【筆記】《紫式部集》
はるかなるところへ、行きやせむ行かずやと、思ひわづらふ人の、
    山里より紅葉を折りておこせたる

8 露深く おく山里の もみぢ葉に 通へる袖の 色を見せばや

    返し

9 嵐吹く 遠山里の もみぢ葉は 露もとまらむ ことのかたさよ

    又、その人の

10 もみぢ葉を さそふ嵐は はやけれど 木(こ)の下ならで ゆく心かは