masaka says
富永京子「「ビックリハウス」と政治関心の戦後史」を読んだ。70~80年代に消費社会の発展と対応するように社会運動や政治参加が忌避され揶揄されるようになったという言説が本当かという問題意識を、「面白半分」「話の特集」「宝島」と合わせてサブカル雑誌を分析することで検証する。「ビックリハウス」130冊すべてをテキスト化して計量分析するという意欲的な試みは読み取りがやや平板でもっと掘り下げる余地がありそうだが、先行世代の「規範や教条主義」への反発という結論をはじめ丁寧な論述で(繰り返しが多いものの)よく分かる。山崎正和の「柔らかい個人主義」から社交の概念を参照しているのは面白い