masaka says
海老根剛「人形浄瑠璃の「近代」が始まったころ」を読んだ。歴史的転換という昭和5年の四ツ橋文楽座の開場を軸に、文楽の近代化を“観客からのアプローチ”で記す。作品論や芸論とは異なる観客という視点はとても有効であるとともに、古典とは、批評とは何かといった問題意識からも掘り下げ、「浄瑠璃雑誌」の悉皆調査をはじめとする資料参照の的確な記述。やや反復が多いが丁寧で読みやすい良書。昨日初めて行ったフライングティーポットの「江戸写し絵」イベントが説経節(小栗判官)と三番叟を上演していて、たまたまながら相乗効果(イベント自体は余計なトークで間延びして辛かったが)