masaka says
岩田秀行/小池章太郎「役者絵の図像学」を読んだ。芸術作品の浮世絵というより歌舞伎興行に伴う出版物としての位置づけから、実際にどの役者がどの公演で何を演じたものを絵にしたか読み解くためのさまざまな約束事や着眼点を解説する。図版も豊富であり演博データベースの関連もあって興味は尽きない。ただ冒頭の対談を始めやや上から目線で、記述も細部を掘り下げる一方やや単調なので、ついて行くのが疲れる。最後の八犬伝草子のセクションは読み物として辛いのでもっと図鑑的に整理してもよいのかもね