masaka says
澤田瞳子「月ぞ流るる」を読んだ。頼賢の語り口などいくつかの造形や設定がややぎこちない感じもあって最初とまどったが、終盤の帝の思いの吐露から見えぬ目での月の御製、そして古今集による返歌という山のつくりはさすが。ここでは道長は完全にヒールで大河との違いもまた興味深く、赤染衛門が書くことにされている栄華物語はチラ見せもないというのも奥ゆかしい