masaka says
上野修「スピノザ考」を読んだ。エチカにおいて“実体の本質を構成すると知性が認知するもの”が属性と定義される。おお記述論理の元祖かと思いきや、属性の違う実体は共通点がなく属性が同じ実体が二つ存在することはできない、それゆえ実体はそれ自身で存在し無限に多くの属性を持つ、すなわちそれは神(自然)であり、われわれ自身はその中においてある様態なのであると。デカルト、ホッブズ、ライプニッツなどとスピノザの関係が論じられるが、基本はここにあるらしい。いや「政治論」はそれとは違う次元のようで、ネグリのマルチチュードに対してスピノザの群衆がもつ力能が統治の本質を定義する自然的原因だと。明快でわかりやすく書かれている。ただなかなか疲れる