masaka says
上野の森美術館「石川九楊大全」展に行ってきた。古典篇ということで歎異抄から伊勢物語、枕草子、徒然草、李賀詩に至る古典文学を題材に、象形文字のようだったり1文字が横いっぱいに波打っていたりマレーヴィチばりの全面黒一色(ただし文字を重ねてはいる)だったりと多彩な技法の見本市の様相を見せ、ほとんどドローイングの領域。源氏物語五十四帖を各技法で書/描き分けているのは圧巻で、ほとんど波や渦巻き模様にしか見えないものも一文字ずつ積み重ねた労作であるらしい。〈筆蝕〉が考えているというのだろうか。最新作の正信偈は親鸞が一字一涙の思いで書いたというのも想起させる